M5搭載MacBook Proならサイバーパンク2077も余裕?Metalベンチマークスコアを元にGPU性能を数値で考察

  • 2025年10月17日
  • Mac
Mac M5搭載MacBookPro_ベンチマーク

Apple の新世代チップ「M5」について、リークされた Geekbench(Metal)ベンチマークが流出しています。リーク値は Metalスコア 74,568 と報告されており、既存の M4 系統(Geekbench 公開値で概ね 54,000〜55,000 前後)と比べて約36〜37%のGPU性能向上を示唆します(後述の基準値と比較して計算)。

この数値を基に、実際にCyberpunk 2077(以下:CP2077)をプレイしたときにどの程度の体験が期待できるのか、既存のMac向けベンチ実測と合わせて考察します。

Metalスコアと基準値――数値そのもの

流出したベンチマークでは M5 の Metal スコアが 74,568 と報じられています。一方で、代表的な M4 搭載機(公表/ブラウザにアップロードされた Geekbench 結果)の Metal スコアは機種や冷却で差がありますが、例として MacBook Air / iPad Pro の M4 実測が概ね 約54,000〜55,000 前後で記録されているのが確認できます。

M5 の 74,568 と M4 の 54,601 を単純比較すると、差は 19,967、増加率はおよそ 36.6% になります((74,568−54,601)÷54,601 ≒ 0.3657 → 36.6%)。実測の M4 値を別の個体(54,428 等)で取れば増加率は約 37% 前後と考えられます。したがって、ベンチ上はGPU性能が約35〜37%向上しているという読み方が妥当です。

Metalスコアの伸びがゲームにどう効くか

Geekbench Metal スコアは GPU の総合的なレンダリング処理能力を示す指標で、同じゲーム/レンダリング条件ならおおよその相対性能の目安になります。ただしゲームの実フレームレートは、純粋なピーク演算性能だけでなくメモリ帯域、ドライバ最適化、Thermal(長時間負荷時のサーマルスロットリング)、およびゲーム側での Metal 最適化状態に左右されます。

M5 は発表でユニファイドメモリ帯域の拡張(153GB/s)もアピールしており、GPUコアの増強と合わせてテクスチャ読み出し・シェーダ処理の余裕が増すため、数値上の GPU 性能向上は実ゲームの FPS 向上にも寄与しやすい設計です。とはいえ「ベンチ比=FPS比」と単純には置けない点は念頭に置く必要があります。

既存のMac向けCP2077ベンチから見た比較(実測参照)

Mac 向け CP2077 の実測ベンチを見ると、M4 世代でも機種差が大きく出ています。例えば M4(10コアGPUの一例)ではネイティブレンダリングで約 26 FPS、MetalFX(Apple のアップスケール)を有効にすると約 39 FPS まで伸びたという実測が報告されています。

逆に、M4 Max のハイエンド構成では 1080p・中〜高設定で 60FPS を余裕で超える例や、中設定で 100FPS を超えた例もあり、チップ世代と冷却・メモリ量によって体験差がかなり大きいことがわかります。これらの実測と先述の Metal スコア差を照らすと、M5 は理論上 M4 の上位個体を上回りうる余力を持つと推定できます。

M5(Metal 74,568)を基準にした実戦的な期待値(推定)

以下はリークスコアを基にした現実的で保守的な推定です。ゲーム実行環境(機種冷却・電源・メモリ容量)やCDPRの最終最適化状況で変動する点を強調します。

  1. フルHD(1920×1080)/プリセット「中〜高」/Ray Tracing オフ/MetalFX 有効

    M4(10コアGPU、実測約26FPSネイティブ→約39FPS with MetalFX)の実測を出発点に、M5 の Metal スコアが約 36% 高いことを単純に性能スケールに反映すると、ネイティブで約35〜36FPS、MetalFX 有効で約53〜54FPS 程度の到達が期待できます。これは「プレイに十分な60FPS」には届かない可能性が高いものの、MetalFX のモードや解像度を調整すれば 50FPS 前後の快適域に達する見込みです。

  2. フルHD/プリセット「高」/Ray Tracing 低〜中

    レイトレーシングはGPUに大きく負荷をかけるため、M5 でも高設定で安定60FPSは難しい見込みです。視覚効果を少し優先したい場合は、内部レンダ解像度を下げ、MetalFX を「Balanced」や「Quality寄り」に設定するのが実用的です。これにより見栄えを維持しつつフレームレートを確保できます。

  3. 高解像度(1440p〜4K)/高設定

    統合GPUかつモバイル筐体である MacBook Pro の特性上、1440p 以上で高設定・Ray Tracing を常時オンにして60FPSを維持するのは難しいです。M5 のベンチ向上は大きいものの、4Kや「最高設定+レイトレーシング高」での持続的パフォーマンスは依然としてデスクトップ向けハイエンドGPU(専用のRTXシリーズ等)に軍配が上がります。

まとめ — M5搭載MacBook ProでのCP2077体験は「十分に現実的」だが最高ではない

リークベンチ(Metal 74,568)は M4 比でおよそ 35〜37% の GPU 性能向上 を示しており、これが実機でも一定程度反映されれば、M5 上位構成は CP2077 を「フルHD 中〜高設定で快適に遊べる」十分なポテンシャルを持ちます。ただし最高設定のレイトレーシング常時60FPSといった領域は、依然としてデスクトップ向けハイエンドGPUが有利です。

M5チップの上位モデルであるM5 Pro/Maxの発表も控えている為、ゲームや動画編集メインでもっと強力なGPUスペックを求めている方はそちらを待った方が良いでしょう。

とは言え、価格から見れば無印M5チップもGPUスペックとしてはかなり高くなったと言えるでしょう。画質設定などを若干落とせばほとんどのゲームは遊べるので、エントリーモデルのMacBook Proを求めている方であれば十分買いでしょう。