最近、日本で施行された「スマホソフトウェア競争促進法(通称:スマホ新法)」を受けて『フォートナイト(Fortnite)』のiOS版復帰が見送られるというニュースが大きな話題となっています。本記事ではなぜ復帰が見送られたのか、スマホ新法とは何か、Epic GamesとAppleの対立の背景をわかりやすく整理して解説します。
スマホ新法とは?国内の競争促進のための新ルール
2025年12月、日本で施行された「スマホソフトウェア競争促進法」は、スマートフォン向けアプリのプラットフォーム競争を促進することを目的にiOSやAndroid上で第三者アプリストアや外部決済を認める法制度です。
この法律によって、かつてのように一社のアプリストアだけが実質的にアプリ配信や決済を独占する状態を是正しようとしています。この流れはすでに欧州連合(EU)のDigital Markets Act (DMA) など世界的な競争法規制潮流の一環でもあります。
しかし、スマホ新法の施行を受けたAppleの対応には大きな批判が出ています。具体的には第三者のアプリストアや支払いオプションが法的には認められているにもかかわらず、Apple は多数の追加手数料や警告表示などの措置を導入しました。
フォートナイト復帰見送りの理由
Appleの対応が不誠実とのEpic Gamesの主張
Epic Games の CEO ティム・スウィーニー氏は、Apple のスマホ新法に対する対応を「不誠実」「妨害的」と強く批判しています。Apple が導入した以下の点を問題視しているとのことです。
サードパーティのアプリストア決済に対する最大21%の手数料
ウェブ上での購入にも15%の課金手数料
全ての競合ストアアプリの取引を必須報告APIで監視しようとする動き
サードパーティ利用時にユーザーへ不安を煽る警告画面の導入
これらの措置は、法制度の趣旨を無効化するものだとEpicは強く反発しており『フォートナイト』の日本における iOS 版復帰は「2025年中は実現しない」と発表しています。
スウィーニー氏によればApple の新たな手数料体系は米国の裁判所でも違法と判断されたことがある仕組みだとし、公正取引委員会への苦情申し立ても示唆しています。
Epic Games と Apple の長年の法廷闘争
そもそもEpic Gamesは、配信プラットフォーム運営企業による手数料や決済制限に対して強く反発してきました。その発端は2020年に遡ります。
EpicはFortniteのモバイル版でApp StoreとGoogle Playの決済をバイパスする仕組みを導入し、両プラットフォームから削除されました。これを受けてEpicはAppleとGoogleを相手取って独占禁止法訴訟を起こしています。
Appleとの争いは世界的に注目され、欧米では裁判所や規制当局が関与する大きな法廷闘争となりました。米国では裁判所がAppleに対して外部決済やリンク導入を認める判断を示したり、Appleの対応に強い批判が向けられてきました。
ただし、EpicとAppleとの訴訟は複雑で、勝敗が明確に分かれているわけではありません。Epicは勝利した点もあるものの、各地での和解や控訴判断により両者の対立は継続中です。
世界の規制動向とモバイルプラットフォーム競争
iOSを中心としたプラットフォーム競争の問題は日本だけではありません。EUではDMAの施行により、iOSでもサードパーティストアの導入や外部決済が認められており、Epic GamesもヨーロッパでFortniteを展開しています。
英国でも同様の競争規制が進んでおり、規制当局がAppleやGoogleに市場支配力是正のための変更を迫っています。
しかし各社の対応は地域ごとに差があり、企業側の強力な反発や迂回策も見られるため、規制がそのまま競争促進につながるわけではないという現実もあります。
今後のiOS版フォートナイトはどうなる?
2025年12月時点では、日本におけるiOS版Fortniteの再開は見送られています。Epic Games側はAppleの対応を理由に批判しており、今後も議論は続くと見られます。
これは単にゲーム配信の話題に留まらず、プラットフォームの中立性と競争原理、世界的なデジタル市場規制のあり方を問う重要な問題でもあります。今後も国内外の規制動向やApple・Epicの動きを注視していく必要があるでしょう。
まとめ
『フォートナイト』のiOS版復帰が見送られる背景には、スマホ新法によるプラットフォーム競争促進の試みと、それに対する Apple の対応への Epic Games の強い反発があります。これは単なるゲームタイトルの配信問題ではなく、プラットフォームビジネスと競争法の新たな局面として注目されています。
AppleとEpic Gamesの対立は依然続いており、今後の法規制や各社の対応によって、大きな影響を及ぼす可能性があります。ユーザーとしても業界の動きをウォッチしておく価値があるテーマです。

