DTM用にMOTU M4を買ったけどリスニング用にも最適な理由を解説

  • 2026年2月15日
  • 2026年2月15日
  • DTM, Mac
Mac MOTU M4

DTM向けオーディオインターフェースを選ぶとき、多くの人は「制作で使いやすいか」「音質は十分か」「レイテンシーは低いか」といった観点を重視すると思います。私自身もMOTU M4を選んだ理由は、まさにDTM環境の音質と快適さを底上げしたかったからでした。

しかし、実際に使い続けていると「これ、音楽鑑賞や動画視聴などのリスニング用途にもかなり向いているのでは?」と感じるようになりました。オーディオインターフェースというと制作専用機材というイメージが強いですが、MOTU M4は日常的なリスニング用途でも満足度が高く、結果的にMacの内蔵オーディオに戻る気がまったく起きなくなっています。

この記事では、DTM用にMOTU M4を購入した筆者がなぜリスニング用途でもこれほど満足しているのかを、音質・操作性・使い勝手・他製品との違いといった観点からじっくり解説していきます。MacユーザーでDACやオーディオインターフェースの導入を検討している方にも参考になる内容になれば幸いです。

MOTU M4とは?DTM用途で定番になっている理由

MOTU M4はアメリカの老舗オーディオメーカーMOTUが展開するUSBオーディオインターフェースで、4イン4アウト構成のモデルです。上位モデルにM6がありますが、M4は価格と機能のバランスが非常によく、個人制作環境ではちょうどいいサイズ感として定番になっています。

特に評価が高いのがESS Sabre32 Ultra DACを搭載している点です。このDACは単体DAC製品やハイエンドオーディオ機器にも採用されることが多く、変換性能の高さと音のクリアさに定評があります。DTM用途では、モニター精度の高さがそのまま制作クオリティに直結するため、この点がMOTU M4の強みとしてよく語られています。

また、フロントパネルに配置された大型のカラーメーター表示も特徴で、入力・出力レベルが視覚的に非常に分かりやすく、録音時のピーク管理やミックス時のレベル確認が直感的に行えます。

こうした要素だけを見るといかにも「DTM用の機材」という印象を受けますが、実際にはこの構成がそのままリスニング用途にも強力に効いてくるのがMOTU M4の面白いところです。

理由① ESS Sabre DAC搭載で音楽鑑賞でも明らかに音質が良い

MOTU M4をリスニング用途でも気に入っている最大の理由はやはり音質です。ESS Sabre32 Ultra DACによる変換性能の高さは、DTM用途だけでなく純粋な音楽鑑賞でもはっきり体感できます。

Macの内蔵オーディオ出力と比べるとまず感じるのは音の輪郭の明瞭さです。ボーカルやアコースティックギターの立ち上がりがシャープになり、音像が一段手前に出てくる感覚があります。特に中高域の抜けがよく、シンバルやハイハットの余韻、ストリングスの倍音成分などがより自然に広がる印象です。

低域についても単に量感が増えるというより輪郭が締まって定位が明確になります。キックやベースがぼやけず、ミックスの中での位置関係が分かりやすくなるため、EDMやロックだけでなく、ジャズやクラシックなどジャンルを問わず恩恵を感じやすいです。

「制作向けの音=硬くて味気ないモニターサウンドなのでは?」と思われがちですが、MOTU M4はモニターライクでありながら、決して冷たすぎない音作りになっており、長時間リスニングしても疲れにくいバランスに感じます。これは単体DACとして見ても、かなり完成度の高い部類だと思います。

理由② ヘッドホンアンプの駆動力が高く、イヤホンからヘッドホンまで余裕で鳴らせる

リスニング用途で重要になるのがヘッドホンアンプの性能です。MOTU M4は、DTM用インターフェースとして設計されているため、モニターヘッドホンをしっかり駆動できるアンプを搭載していますが、これが日常リスニング用途でも非常に頼もしい存在になります。

実際に使ってみると一般的なインイヤー型イヤホンはもちろん、インピーダンスの高めな開放型ヘッドホンやモニターヘッドホンでも音量に余裕があり、歪み感の少ないクリアな音で再生できます。音量を上げても音が薄くなったり、高域が刺さったりする感じが少なく、ヘッドホン本来の音を素直に引き出してくれている印象です。

また、左右独立したヘッドホン出力ではありませんが、フロントに配置されたヘッドホン端子は操作性が良く、デスク環境での抜き差しもストレスになりません。MacBookに直接挿す場合と比べて、明らかに音に余裕があり、音楽鑑賞の没入感が一段階上がるのを実感できます。

結果として「今日は制作じゃなくて、ただ音楽を聴きたいだけ」という場面でも、自然とMOTU M4にヘッドホンを挿している自分に気づくことが増えました。

理由③ ラインアウトの音質が良く、スピーカーリスニングにも向いている

MOTU M4はヘッドホン出力だけでなく、背面のラインアウト音質も非常に優秀です。これはアクティブスピーカーやパワードモニターに接続してリスニングする場合に、大きなメリットになります。

Macの内蔵オーディオ出力や安価なUSB DACと比べると、MOTU M4のラインアウトはノイズフロアが低く、無音時の静けさが際立ちます。その結果、音楽が鳴り始めた瞬間のコントラストが強くなり、音の立体感や奥行きがより自然に感じられます。

特に小音量での再生時にその違いが分かりやすく、音量を絞っても細かいニュアンスが失われにくいため、夜間のリスニングや作業用BGMとしても快適です。これは制作環境向けに「正確で歪みの少ない出力」が求められる設計が、そのままリスニング用途にも好影響を与えている例だと感じます。

結果としてMOTU M4は「ヘッドホン用DAC」としてだけでなく「デスクトップオーディオ用の据え置きDAC兼プリアンプ」としても非常に優秀なポジションに収まっています。

ただし、MacBook Proのスピーカーもかなり良い音質の為、M4に接続するスピーカーもそれなりに高音質なモデルである必要があるのは注意点です。

理由④ ボリュームノブと物理操作の快適さが日常使いに向いている

意外と見落とされがちですが、リスニング用途での満足度を大きく左右するのが操作性です。MOTU M4はフロント中央に大型のボリュームノブを備えており、これが日常的な音量調整を非常に快適にしてくれます。

Macのキーボードショートカットやソフトウェアボリューム調整と違い、物理ノブを回すだけで直感的に音量を変えられるため、音楽を聴きながら別作業をしているときでも、視線を画面から外さずに操作できます。この「何も考えずに手が伸びる感じ」は毎日のリスニング体験の質を地味に、しかし確実に底上げしてくれます。

また、ヘッドホン出力とスピーカー出力を同時に管理できる点も便利で、環境によってヘッドホンとスピーカーを使い分ける場合でも、煩雑な設定変更が不要です。DTM用途では当たり前の設計ですが、これがそのまま日常用途でも強力に機能していると感じます。

理由⑤ Macとの相性が抜群で、常時接続でもストレスがない

Macユーザーにとって、オーディオインターフェースやDACを常用するうえで重要なのが、接続の安定性とOSとの親和性です。その点、MOTU M4はクラスコンプライアント対応で、基本的にはドライバ不要、接続するだけですぐに使えるのが大きなメリットです。ただし、ドライバを入れないとループバック機能が使えないので、ループバック機能を使う場合は必ずインストールしましょう。

実際に使っていてもスリープ復帰後に音が出なくなる、デバイスが認識されなくなるといったトラブルに遭遇することはなく、Macの内蔵オーディオと同じ感覚で常時接続しておけます。この「機材を意識しなくて済む感覚」はリスニング用途として非常に重要です。

また、システム環境設定やサウンド出力の切り替えもスムーズで、制作モードからリスニングモードへの移行がストレスなく行えます。結果として、「DTMのときだけMOTU M4を使う」のではなく「常にMOTU M4を経由してMacの音を出す」という運用が自然に定着しました。

理由⑥ 制作用の“正確な音”が、そのままリスニングの満足度を底上げしてくれる

DTM用インターフェースの特徴は「音を盛らない」「誤魔化さない」「できるだけ正確に出す」ことにあります。一見すると、これはリスニング用途には向かないようにも思えますが、実際にはその逆で正確な音が出る環境ほど、音楽そのものの魅力がはっきりと伝わってくると感じます。

MOTU M4を使い始めてから、これまで何気なく聴いていた楽曲のミックスの細部や空間処理、定位バランスなどに自然と意識が向くようになりました。「この曲、こんなところでコーラスが鳴っていたんだ」「このリバーブ、思ったより奥行きがあるな」といった発見が増え、リスニング体験そのものがより能動的で楽しいものに変わった感覚があります。

これはDTMをしている人だけでなく、純粋に音楽を深く味わいたい人にとっても大きなメリットだと思います。MOTU M4は、制作機材でありながら、音楽鑑賞の楽しさを広げてくれる存在でもあると感じています。

他のUSB DACやオーディオインターフェースと比べてどうなのか

市販のUSB DACやオーディオインターフェースには、音楽鑑賞向けを謳うモデルも数多く存在します。それらと比較したとき、MOTU M4の強みは「制作とリスニングの両立を妥協せずに実現している点」にあると感じます。

純粋なリスニング専用DACと比べても、解像度やノイズ耐性、音の安定感といった面で遜色はほとんどなく、むしろ物理ノブの操作性や接続端子の豊富さでは優れている部分もあります。一方で、一般的なDTM用インターフェースと比べると、DAC品質や出力段の余裕が一段上で、「音楽を聴くだけの時間」にも明確な違いを感じやすい点がMOTU M4の魅力です。

結果として「制作もするし、日常的な音楽鑑賞にもこだわりたい」というユーザーにとって、MOTU M4はかなり理想的なポジションにある製品だと思います。

DTM用に買ったはずが、気づけば“常用DAC”になっていた

私自身、MOTU M4はもともとLogic ProやAbleton Liveでの制作環境を改善するために導入しました。しかし実際には音楽を聴くとき、YouTubeを見るとき、動画編集で音を確認するときなど、Macから音を出すすべての場面でMOTU M4を使うようになっています。

その理由はシンプルで「音が良く」「操作が快適で」「接続が安定していて」「何も考えずに使える」からです。DTM用途として導入したにもかかわらず、結果的にMacのオーディオ環境全体の満足度を底上げしてくれる存在になりました。

もし「DTM用にオーディオインターフェースを買うなら、ついでにリスニング用途にも使えたら嬉しい」と思っている方がいるなら、MOTU M4はかなり有力な選択肢になると思います。逆に、「リスニング用途のDACを探しているけど、将来的にDTMにも興味がある」という方にも、長く使える一台としておすすめしやすいモデルです。

【まとめ】MOTU M4は“DTM機材”でありながら“優秀な据え置きDAC”でもある

MOTU M4は、DTM用途で高い評価を受けているオーディオインターフェースですが、実際に使い込んでみると、リスニング用途としても非常に完成度の高い製品だと感じます。ESS Sabre DACによる高音質、余裕のあるヘッドホンアンプ、ノイズの少ないラインアウト、快適な物理操作、Macとの高い親和性など、どの要素を取っても「日常的に使いたくなる音響デバイス」としてよく練られています。

結果として、「DTM用に買ったけど、気づけば普段の音楽鑑賞にも欠かせない存在になっていた」というのが、MOTU M4に対する正直な感想です。制作とリスニング、どちらも妥協したくないMacユーザーにとって、MOTU M4は非常にバランスの取れた選択肢だと言えるでしょう。