Mac Studio/Proと共に登場したM2 Ultraですが、そのGPUベンチマークがすごいことになっています。
OpenCLのベンチマークで比較したところ「NVIDIA RTX 4060 Ti」と僅差のスコアであることが判明したようです。
GPU(OpenCL) | |
M2 Ultra | 131,100 |
RTX 4060 Ti | 133,800 |
ただし、RTX4060TiはミドルレンジクラスのGPUである為、ハイエンドクラスとは呼べないGPUです。「ミドルレンジGPUと僅差って微妙じゃん…」と思う方もいるでしょうが、実はこれ超すごいことなんです!
先ずほぼ全てのWindowsゲーミングPCは外付けGPU(dGPU)となっており、メインチップであるCPUとdGPUで別々に処理しています。しかし、常にdGPUで処理を行うと消費電力や負荷が大きい為、簡単な動画処理ではCPUと一体型になっている統合GPU(iGPU)で処理されます。
例えばこのiGPUだけで近年の3Dゲームをプレイしようものなら、最低画質設定でもギリギリ動く程度の処理能力しか発揮できません。
Apple SiliconというのはまさにiGPUのようにCPUとGPUの一体型にも関わらず、dGPU並みのスペックを叩き出す超高性能チップなんです。これほどハイスペックでありながら消費電力もdGPUより圧倒的に低くなっており、よほどの高負荷をかけない限りは冷却ファンすら動きません。
超高効率を実現したApple Siliconですが、ここで問題となるのはコストパフォーマンスです。
例えば「NVIDIA RTX 4060 Ti」を搭載したWindowsゲーミングPCのラインナップを見ると14万円前後から購入できるものがほとんどです。しかしM2 UltraはMac Studioの最低構成でも598,800円からという化け物みたいな価格設定になっています。
ここまで高価でありながらWindowsゲーミングPCのミドルレンジクラスのGPUスペックなわけですから、正直ハイエンドクラスには達していてほしい気持ちもありますね。
2023年後半リリース予定のM3チップからプロセスルールの微細化により大幅なスペックアップが見込まれる事から、M3 Ultraが登場した暁にはハイエンドクラスのGPUスペックを超える可能性も出てきます。
今後のApple Siliconの活躍には目が離せませんね。