Apple Siliconの登場で大幅なスペックアップを果たしたMacも気づけば3代目となるM3チップとなります。
M1チップと比較しても2倍以上の性能とAppleは謳っており、特にGPU性能に関しては統合チップとは思えないほどの破格のスペックです。dGPUのような独立GPUと遜色ない性能であることはこれまでのベンチマーク情報からもわかるでしょう。
肝心のゲームに関しても「バイオハザードシリーズ(ヴィレッジ/Re:4)」「DEATH STRANDING」といったビッグタイトルに対応したことで、ゲーミングPCとしての実力は十分に出ています。
それでもビッグタイトルの移植は増えておらず、昨今リリースされるゲームも当然のようにMac非対応ばかりです。ゲームができないというよりはゲームの対応が行われていないのが現状です。
そこで今回はMacOSにゲームが対応しない理由を3つ解説します。
Macに対応しても儲からない
Macに対応、移植するコストを考えると儲かるどころか赤字になる可能性が高いでしょう。
その理由はMac人口の少なさにあります。
皆さんの周りにMacユーザーは何人いるでしょうか。ほとんどの人はWindowsを使用しており、そもそもゲームをするのであればWindows一択と考える人も多いでしょう。
そんな人口の少ないMacに対応するにしても移植にはコストもかかりますし、仮に移植をしてもアフターサポートが必要になります。
開発するよりはマシとは言え相当なコストがかかることは想像できます。労力に見合った売り上げが見込めない為、Mac版の対応が進まない理由と言えるでしょう。
ゲーム移植に手間がかかる
「Game Porting Tool」というツールをご存知でしょうか。
これはWindowsのゲーム移植を簡単にすることができるツールとなっており、Appleがゲーム市場参入を狙って開発しました。
Macでゲームをしたいユーザーにとっては夢のようなツールですが、あくまで簡単に移植できるというだけで完璧な移植は難しいようです。
実際にWindowsゲームをこのツールを使って移植した記事も見ましたが、移植しきれない部分は当然手直しが必要になります。1から作るよりは遥かに楽かもしれませんが、ツール移植によってどこにバグが潜んでるかもわからないゲームをリリースするわけにもいかないので、全箇所のデバッグが必要になってきます。
ここまでしてやっと移植しても先に述べたように赤字になる可能性が大いにあります。
「じゃあMacは非対応のままで良いか」となるのが目に見えてきますね。。
ゲーム開発期間的にMac非対応は当然?
ゲームの開発期間は大体1〜3年と言われています。
仮に開発期間が3年かかるビッグタイトル級のゲームがあるとします。現在(2024年3月)から約3年前と言えばApple SiliconであるM1チップが誕生(2020年11月)して間もない時期になります。
M1チップ(M1Pro/Maxは未発売)が誕生した当初はスペックも未知数な上、開発ができるのかどうかも不透明な状態だったでしょう。まだ発展途上であるM1チップだからこそWindowsのゲーミングPCに到底太刀打ちはできないレベルでした。
そんなM1チップに当時の開発者がMac対応をするような提案をするでしょうか…答えは「ノー」です。
それでは今後もゲームが増えないのか…
先に述べたようにM1チップリリース時点ではゲームタイトルの対応、移植の話はなかったでしょう。
しかしM2 Pro/Maxの登場でゲーミングPCとしてのスペックが飛躍的に向上したことで、現在開発が進んでいるゲームはApple Siliconに先見性を見出して対応している可能性は十分あります。
仮にM2 Pro/Maxの発売日(2023年1月)以降にMacに対応する話が進んでいる案件があるとすれば、2025〜2026年頃にそのゲームがリリースされる可能性があります。
その頃にはM4/M5チップも登場していますので、よりハイスペックになっていることは間違いないでしょう。
あと1〜2年待てばMac対応ゲームがじゃんじゃんリリースされ、MacもゲーミングPCの仲間として活躍しているかもしれませんね。