M4 iPad Proで採用された「タンデムOLED(Ultra Retina XDR)」は既にタブレットの表示品質を一段階引き上げました。そこで気になるのが「M5世代でディスプレイはさらに進化するのか?」という点です。
現行の技術的土台を踏まえつつ、リークやサプライチェーン情報から見える“次の一手”を整理し、クリエイターや買い替え検討者にとって実用的に何が変わるかを読み解きます。まず重要な前提:M4のiPad ProはタンデムOLEDを採用しています。
M4で何が実現したのか
AppleはM4 iPad Proで「Ultra Retina XDR」表示と呼ばれるタンデムOLEDを導入し、従来のMini-LEDとは異なる深い黒と高コントラスト、かつ高輝度を両立するアプローチをとりました。仕様上はフルスクリーン1000ニト、HDRピーク1600ニト、ProMotion(10〜120Hz)を維持しており、タブレット級の大面積OLEDを実用化したこと自体が大きな進歩です。
「M5での進化」は具体的に何を指すのか
リーク情報はまだ断片的ですが、複数メディアはM5世代のiPadに対して「設計の大幅変更は少ないが、性能・効率やカメラ等の小改良を伴うアップデート」が来る可能性を伝えています。つまり“完全な再設計”ではなく、ディスプレイ面ではタンデムOLEDの改良(効率/輝度/長寿命化)やパネルサイズラインナップの調整が中心となる公算が高い、という見方です。
派生して注目されている具体案は次の通りです(以下はリークの解釈+技術的な期待を混ぜた予測です):
タンデムOLEDの改良:同じ「二層構造」をベースに、発光層・制御ロジックの最適化でピーク輝度や色安定性をさらに高める(より安定したHDR表現、屋外視認性の強化)。
より大きなパネルの選択肢:現行の11/13インチに加え、ラインナップの見直しや“画面占有率の最適化”でユーザーの選択肢が広がる可能性。大型パネルは製造・歩留まりコストの関係から慎重に判断される。
焼き付き対策と寿命改善:パネル素材やドライバ制御での改善により静止表示による“イメージ保持”リスクを低減する試みが進む(ソフト側でのUI変化推奨も含めた複合対策)。
OS連携(Apple Intelligence)を活かした動的制御:M5のニューラルエンジンを利用してコンテンツに応じたピクセル駆動や省電力表示を行い、バッテリーとのバランスを最適化する実装が想定される。
サプライチェーン面から見えるヒント
大型・高性能OLEDパネルは製造難易度が高く、サプライヤーの技術競争と歩留まり改善が重要です。LGやSamsungなどが大型・タンデムOLEDの技術開発で主導権を握っており、Appleが複数サプライヤーを使い分けることで需給安定を図るという報道が出ています。パネルメーカー側の改良が進めば、M5世代での“品質改善”が現実味を帯びます。
クリエイター/プロが実際に体感する“進化”とは?
ディスプレイの進化は数値だけでなく、日常作業の中での「見え方の違い」として体感されます。M4からM5で期待できる実用的な変化例を挙げます。
暗部の表現力向上:より精細なシャドウ階調が確認しやすくなり、カラーグレーディングの初期判定や編集プレビューが改善される。
HDRワークフローの信頼性向上:ピーク輝度と色の安定化が進めば、iPad単体でのHDRチェックが現実的になる。
携帯性と代替ディスプレイとしての実用度上昇:外部モニタを常時持ち歩かないクリエイターほど恩恵を感じやすい。
ただし注意点も:長時間の静止UI表示(長いメニューバーやツールパネル)を多用するワークフローでは焼き付き対策や表示ルールが必要。Mini-LEDに比べた屋外視認性や長期耐久は“どちらが優位か”は状況依存です。
実機レビューで確認すべきチェック項目
実際にM5モデルが出たら、少なくとも以下は確認したいポイントです。
フルスクリーン輝度(nits)とHDRピーク:屋外視認性とHDR表現のベンチマーク。
色域とΔE(Delta-E)測定:色再現の正確さ。
焼き付き(静止画保持)テスト:長時間同じUIを表示した後の残像測定。
長時間負荷時の発熱・サーマルスロットリング:動画書き出しや連続レンダリングでの温度/性能推移。
バッテリー持ち(表示負荷別):暗い画面・明るい画面・動画再生での差を測る。
これらはスペック表以上に「現場での使い勝手」を示す重要指標になります。
買い換え判断
現在M4 iPad Proを使っているなら、次の基準で判断すると良いです。
「自分の仕事でHDRプレビューや暗部の微調整が日常的に必要」→ M5での微改善を待つ価値あり。
「屋外での視認性や静止UI中心で長時間作業する」→ M4でも十分に高性能なので慌てて乗り換える必要は薄い。
「他のM5改善(CPU/GPU/AI機能)も欲しい」→ 総合的に欲しい要素が揃うなら買い替え候補。
まとめ
M4で実現した「タンデムOLED」は既に現実の表示体験を大きく変えました。M5世代は“全く新しい仕組み”というより、タンデムOLEDの改良(輝度・効率・耐久性)、サイズラインナップの最適化、そしてチップ側のAI制御を活かした実用改善が中心になる可能性が高いです。
クリエイターにとっては魅力的な進化が期待できますが、買い替えは用途と検証項目を照らして冷静に判断するのが良いでしょう。


